小説『イニシエーション・ラブ』あらすじと感想

こんにちは!

今回は、乾くるみさん原作の小説『イニシエーション・ラブ』のあらすじと感想についてお話ししていきます。

こちらが小説についている帯です。

「300万人が騙された」「元祖 2度読みミステリー」

こんなに自信満々に書いてありますが、、、はい、私も騙されて、2度読みしました。

帯の裏ですが、著名人の方々も絶賛してますね。

さて、それではどういった内容の小説なのでしょうか。解説していきます。

『イニシエーション・ラブ』について ※ネタバレなし

概要

こちらの作品は、一見すると普通の青春恋愛小説です。ただ、ここまで絶賛されるには、帯にも「騙された」「2度読み」「読み返しました」「叙述トリック」とあるように、普通の恋愛小説ではなく、いわゆる叙述トリックが使われている小説なのです。

「叙述(じょじゅつ)トリック」とは

叙述トリックとは、読む側の思い込みや先入観を利用して、作者が意図的に一部の描写を曖昧にしたり伏せたりして、作者が読者に対してミスリードを仕掛けるトリックのこと。

すでに「叙述トリック」とお伝えしてしまっていますが、それを前提に読んでいったほうが面白いです。

読み進めていくうちに少しづつ違和感を感じていくことになると思いますが、それの謎を推理しながら読んでいくのもよいでしょうし、最後にびっくりするのもよいでしょう。

これは、ミステリーです!

『イニシエーション・ラブ』のあらすじ

物語は「side-A」と「side-B」2章仕立てです。

主人公は「たっくん」。そしてその彼女である「マユ」と物語は進んでいきます。

side-A

大学生であるたっくんは代打で参加した合コンでマユに一目ぼれしてしまいます。そこからの付き合うまでの二人のやり取りや、初体験など甘酸っぱい青春と恋愛が描かれています。

思わずにやにやしながら二人の幸せな青春を見守ることができました。

side-B

社会人のたっくんは転勤が決まり、マユとは遠距離恋愛をすることになってしまいます。週末は車で5時間かけてマユのもとに通うたっくんですが、徐々に二人の間には亀裂が入ってきてしまい。。。

遠距離恋愛ってやっぱり難しいのですね。

ラスト2行目

小説の裏表紙のあらすじにも書いてある通り、この一文で世界がひっくり返ります。絶対に先には読まないでください!この一文のために『イニシエーション・ラブ』を読んでいるようなものです。

『イニシエーション・ラブ』の楽しみ方

普通の恋愛小説として読む

まずは普通の恋愛小説として読んでいきましょう。

side-Aは大学生のたっくん、side-Bは社会人のたっくんが主人公なので、私もこんな時期あったなーと自分とリンクしながら読むことでき、あの頃に戻ったような気持ちになりました。

小中高校生の方は「きっと大人になったらこういった恋愛するんだろうなー」とか、「もっと大人になったらこういった恋愛したいなー」とか思いながら読むと、大学生や社会人になるのが楽しみになってきますよ。

途中の違和感を楽しむ

少しずつ違和感を覚えるところがあると思います。

それを最後まで取っておくのも良いでしょう。

それを考察して、自分なりの答えを見つけ出すのもよいでしょう。

ラストは絶対に読まない

全て読んできて初めてラストは意味を持ちます。「えっ!?」と声に出してしまってもよいでしょう。

絶対に先に読まないでください。

解説を読む

本編が終わると「解説 ~再読のお供に~」というページが続きます。このお話しは1980年代後半が舞台なので、現代では分かりにくい用語の解説がその後続いていきます。

実際は全然気にならない用語ですが、その用語解説の中にこの物語の真実につながるヒントが隠されているのです。

2度目を読む

用語解説の重要部分を頭に入れて、2度目を読んでみましょう。

まったく違った世界が広がってきます。

ネットでネタバレを検索してみる

ネットでも調べてみるとより理解が深まり、イニシエーション・ラブの真実の世界が分かってきます。

小説『イニシエーション・ラブ』の感想

読み終えて

いろいろと叙述トリックが効いた小説を読んできたことはありますが、ここまでびっくりした結末のものは初めてでした。

まず、普通の恋愛小説としてもとても面白く主人公に感情移入できました。作者の読ませ方や表現も分かりやすく、誰にでもある普通の日常であるので、自分が物語の主人公のような気分で読み進めることができました。

最大のネタバレである叙述トリックということは初めから分かっていたので、それをふまえて読み進めていて、「あれ?この違和感ってどうなの?」とか「ちょっとさっきといってること違うんじゃない?」とかは最後のお楽しみにとっておいたので、ラストで「おぉ!マジか!!」となりました。

解説と2度読みと、ネットのネタバレを読みながら、徐々に真実を探し当てたときの爽快感は小説の醍醐味を味わうことができました。

映画化もされています。私はこれから見ようと思ってますが、これを映像化するのってどうやってるんだろう、と今から楽しみにしています。

こんな人におススメ

純粋に恋愛ものが好きな人

恋愛小説としても楽しめます。

学生恋愛の甘くほろ苦い思い出や、社会人恋愛の仕事と恋愛の両立の難しさ、こういったものの疑似体験ができますね。

ミステリー好きな人

最後の2行目の真実とは?

これはミステリーです。読みながらその謎を解いてみてください。

叙述トリックが好きな人

この作品の一番はこれです。

「騙された!」と思えてスカッとしたい人にはおススメです!

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